ある日、横浜のバーで 田中亜弥子
日本におけるバーの発祥は、1860年(安政7年)横浜外国人居留地であると言われている。今回「温故知新」という展示テーマを受け、バーという場所に焦点を絞り、横浜で営業する2店に撮影協力をいただいた。2店に共通するのは、創業から半世紀以上が経っていること、レコード盤のジュークボックスが置いてあること、近年20歳代〜30歳代の昭和を知らない世代 の来店が増えていることである。
会場展示左側から
●アポロ(横浜市中区)
1964年(昭和39年)創業。御年85歳のオーナーバーテンダーがフロアを1人で切り盛りしている。毎日カウンターに立ってシェイカーを振っている現役バーテンダーとしては、横浜最高齢。68年ごろから使っているというジュークボックスには、ギリシャの曲が4曲入っている。これは貨物船のコンテナ化が進んだ70年代まで、横浜港に入港するギリシャ船の船乗りたちで連日賑わっていたころの名残りである。
●Star Dust(横浜市神奈川区)
1954年(昭和29年)創業。現在は2代目と3代目が交代で店に立つ。多くのドラマ撮影などで使われてきた店で、サザンオールスターズの「思い出のスター・ダス」にも歌われた。ジュークボックスの曲は60〜70年代のオールディーズが中心。店のすぐ横にかかる瑞穂橋の先は、横浜ノース・ドック(在日米陸軍基地管理本部)で、米軍関係者の来店も多い。
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